プロジェクトK~ケニア紅茶輸入物語 (第28話)

が、アフリカンフェア開催までわずか3ヶ月しかなかった。只野は何から手をつけていいかわからなかった。すぐに非常勤名誉顧問の竹中へ電話した。
「只野さん、時間がありませんからすぐに商品の輸入手続きを始めてください。そしてそのとき独自のパッケージデザインに変更できるようにしてみましょう。」

「え、えっ…。」
意表をつかれたように只野は答えた。確かにKenya Tea社(仮名)の今のパッケージは、日に焼けたような薄い黄色でみすぼらしかった。インパクトのある、世界に一つしかないオリジナルパッケージができたらどんなにいいだろう、と只野は思った。

只野は、ふと小さい頃見た記憶のある1枚のアフリカの絵を思い出した。キリマンジャロ山をバックに大サバンナのはるか地平線に沈みゆく大きな真っ赤な夕日、キリンの群れが影絵のようにシルエットとなって遠くへ行く姿・・・。いつかアフリカへ行ってみたい!アフリカへの憧憬はそのときから始まっていたのかもしれない。

そう、これだ!パッケージは大いなるアフリカを伝えるメッセージだ!だが、只野にデザインなどできるはずなどなかった。どうしよう?いつものぼんやりとした無気力な表情になった。そのときだった。

「只野さん」
声をかけられ、只野ははっとして後ろを振り向いた。(続く)

(*この物語はフィクションです。)

プロジェクトK~ケニア紅茶輸入物語 (第27話)

(*NHK「プロジェクトX」の田口トモロヲ調で)

その速達の内容は、このたび日本政府自らが主催する初の「アフリカンフェア」への出展依頼状だった。アフリカを支援するためのプロジェクトで、首相の小泉自ら先頭に立っての肝いりの事業だった。日本だけでなく、世界各国からの政界、財界、経済界のトップが集まり、ケニア紅茶を日本代表としてPR販売して欲しい、というものだった。

只野は驚いた!どうしていいかわからずさっそく上司の鬼塚に報告した。
が、鬼塚の怒号が事務所いっぱいに響いた。
「アホか!まだこんなことやってんのか!いい加減にしろ!」
社内は水を打ったようにしんとした。他の社員は聞こえないふりをしじっと下を向いた。

「い、いえ…。も、もう、や、やってなんかいません・・・。し、しかし…。」
いつのもようにもごもごと、どもる只野に鬼塚は言った。
「とにかくだ!公文書だから一応預かっておく!」
只野は、社内で新しいことを始めるときのむずかしさを絶望的な気持ちで痛感した。

その一週間後だった。鬼塚が苦虫を噛み潰したような顔で只野に言った。
「自己の本来業務の差し障りにならないこと、会社からの予算は使わないこと、会社の対外的信頼性を損なわないこと、それらが守られれば、この案件への取り組みは最低限の範囲内で認める!」

只野は喜んだ!
十分だ。これでとにかく一応はケニア紅茶に取り組めるのだ。これを只野はひそかに、「プロジェクトK(Kenya)」と名づけた。名だけのプロジェクトチームがここに誕生した。(続く)

(*この物語はフィクションです。)

プロジェクトK~ケニア紅茶輸入物語

前話(第26話/2008.12.31)までのあらすじ

広島の零細企業に勤める只野(仮名)は、いつもぼんやりとしたうだつの上がらないサラリーマン。ある日ジェトロ(日本貿易振興機構)の中田(仮名)から、ケニア紅茶輸入の公募案件があることを知らされる。無気力な只野に、何故かいつも息子のようにかわいがってくれる非常勤名誉顧問の竹中(仮名)。親身になって企画書つくりを指導し、見事に公募に選抜される。竹中のアドバイスにより、広島でケニア紅茶試飲会を開催し大盛況。その調子で東京(幕張メッセ)での展示会でも大成功を収める。が、上司の鬼塚(仮名)はそんな只野をよくは思わず怒号を飛ばす。いよいよこれから本格的に東京進出だと気負う只野に、突然社内の牢獄といわれる倉庫番への辞令が出る。悔しい思いをしたが、3ヶ月もたつと只野はケニア紅茶のことなど全く忘れてしまった。

そんな折、突然1通の速達が只野に届いた。
その差出人を見て只野はたまげた。差出人はなんと首相の大泉純一郎(仮名)と経済産業大臣の二階堂俊彦(仮名)となっていた。(続く)

(*この物語はフィクションです。)

アフリカの映画(2) 「ナイロビの蜂」

映画「ナイロビの蜂」
舞台はアフリカのケニアの首都、ナイロビ。
上映が終わっても、しばらく誰もすぐに席を立つ人はいませんでした。

アフリカの貧民に援助という美名の下、新薬の人体実験をしている大製薬会社と政府の癒着を追及する正義感あふれる美しい外交官の妻、テッサ。その妻の不審死によって、穏やかで心が広いその夫ジャスティンが、その遺志を継ぎ後を追います…。

「大製薬会社だけでない、援助機関さえもアフリカを食い物にしている!」というテッサの言葉は、JICAという援助機関で、現地へ派遣させてもらったことのある私にはとても衝撃的でした。

アフリカの目を背けたくなるような現状だけでなく、夫婦の愛についても真剣に描かれています。礼儀正しく心の広いジャスティンは、男から見ても惚れ惚れするような男です!

映画のエンディングは、ジャスティンは調べ上げた事実を公表し、自分自身殺されることがわかりながら、あえて妻が亡くなった地に行きます。

「私の(帰るべき)家は妻です。」という言葉を残して…。(2006年公開)

アフリカの映画(1) 「ブラッド・ダイヤモンド」

映画「ブラッド・ダイヤモンド」
舞台はダイヤモンドの産出国、アフリカはシェラレオネ。
白人が大好きなダイヤモンド、それはいいのです。が、なぜ全くそれに興味もない現地の人たちが、そのダイヤモンドのためにお互い殺し合わなければならないのでしょうか?先進国の利権争いは、当地国をいやおうなしに争いに巻き込んでしまいます。

現地の人たちは蜂の巣のように散弾銃で殺され、かろうじて生き残った家族もバラバラ、明日生きているかどうかわからない難民としての放浪生活。麻薬漬けされた少年兵たちは銃を持ち、殺人マシーンとなるべく洗脳されていきます。

映画の中の原住民ソロモン(ジャイモン・フンスー)は、ダイヤモンドよりも自分の命よりも大切な少年兵となった自分の息子を必死で捜します。ダイヤモンドなどに一体どんな価値があることでしょう?

ダイヤモンド密輸商のダニー(レオナルド・ディカプリオ)
他人は一切信じない彼が、最後の最後にソロモン親子を自分の命を犠牲にして逃がしました。ダイヤモンドの話ではなく、人生で一番大切なものは何かを語ってくれているようです。

家族でいっしょにごはんを食べれる幸せ。
シェラレオネの人たちは、ダイヤモンドもお金も要らない、いやごはんさえ満足に要らない、家族がいっしょにいられるだけでいい、と言うかもしれません。

映画を観た後、ミスタードーナツで家族にドーナツを買って帰りました。本当に平和で幸せなことだと心から感じました。 (2007年公開)

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