見返りを期待しない国際交流

「留学と言えば響きはいいのですが、私の場合大変な貧乏学生で、不法労働による移民局からの強制送還に怯えながら滞在延長するか、道半ばにして帰国するかのどちらかでした。このときばかりは私も切羽詰って『掃除でも何でもするので仕事をお願いします』とすがりつきました。というのも、留学生にはひとつだけ抜け穴があって、米国では学内の仕事だけは就労許可を必要としないからです。

私の気迫が優ったか、つき返すには哀れだったのか、学長からTA(教務助手)に申請しなさい、との返事。まさに天にも昇る心地でした。生活に困らないだけの給与をいただき、安心して勉学に専念することができました。ほんの1年前まで全くの見ず知らずでしたのに、なぜその学長にチャンスをもらったのか、未だにその本当の理由は分かりません。

その後も米国の人たちにはずいぶんお世話になりました。その後帰国し、縁あって今の業界で仕事をするようになりました。そしてかなりの歳月が流れ、この間、自分が与えてもらった恩恵のどれだけをお返しできたのだろうかと考えると、赤面の至りです。

米国で学んだ大切な教訓、それは『国際交流に見返りを求めてはいけない』ということであったように思います。仕事がら留学生と接する機会が多くありますが、この教訓を肝に銘じ、自分がよくしてもらった分のほんの僅かでもお返しすることが、私の責務だと心がけています。それが例えどこの国からの学生であろうとです。」

~広島市立大学国際部 岩井千秋教授 寄稿
   (廿日市市国際交流協会広報誌より抜粋)

プロジェクトK~ケニア紅茶輸入物語(最終話)

「あの番組の終わりにかかる歌がまた好きでしてね。そう、中島みゆきの歌でしたかね。詞がとてもいいんです。今まで来た道をしみじみと振り返り、そしてこれからも自分の道をずっと進んでいく、という歌です。」
「ええっと、確か『ヘッドライト・テールライト』、でしたよね。」
「そう、それです!私もね、いくつになっても体が動く限り、何にでもずっと挑戦していきたいと思っているんですよ。もっともワイフからはもういい加減にしておきなさい、とよく叱られてますけどね。わっはっはっ。」
竹中はとても楽しそうに笑った。只野もその歌を知っていた。そしてその詞を思い出した。

「語り継ぐ 人もなく 吹きすさぶ風の中へ
紛れ散らばる 星の名は 忘れられても
足跡は 降る雨と 降る時の中へ消えて
称える歌は 英雄のために過ぎても
行く先を 照らすのは まだ咲かぬ 見果てぬ夢
はるか後ろを照らすのは あどけない夢
ヘッドライト テールライト 旅はまだ終わらない
ヘッドライト テールライト 旅はまだ終わらない」  

これからどんな道を歩んでいくことだろう、と只野も遠く夜景を見た。とてもきれいだった。今日のこのシーンはずっと忘れられないだろう、と只野は思った。(完)

(*この物語はフィクションです。今までおつきあい下さりありがとうございました。)

世界のLOVE~広島大学で写真展

国際協力を学び、伝えることを目的とする広島大学の学生団体「Peace Capsule Hiroshima」が、「世界のLOVE」をテーマに写真展を開いています。代表の教育学部2年君原晴佳さん(20)は、「世界の人たちと共存していく意識を持ってもらうきっかけになれば」と話しています。東広島市の広島大キャンパスにある同大図書館「地域・国際交流プラザ」で入場無料、4月28日まで行われます。

フィリピンやインドの子どもたちの仲むつまじい姿、赤ちゃんを抱くツバルのお母さん、青年海外協力隊員の教師に叱られるザンビアの生徒、食卓で腕相撲をする日本の家族-。撮影は20カ国にも上るそうです。

同団体は2008年発足。学部生と大学院生計約40人が月に2~3回の勉強のほか、途上国の生産者を支援をするフェアトレード商品の販売や映画上映などの活動をしています。君原さんは「国際協力というと難しいイメージがあるかもしれないが、知ることもその一つ。とっつきやすいものから入って、関心を持ってもらえれば」と話しています。

写真展は午前9時(土日は午前10時15分)~午後4時半。22日は休館です。ご関心のある方はぜひ行ってみられることをお奨めします。

(朝日新聞より抜粋)

プロジェクトK~ケニア紅茶物語(第50話)

「わっはっはっ。いやいや、只野さん一人でするのではありません。また決して一人でできるものじゃありません。仲間をつくるのです。物事を為すということは、いい仲間づくりをするということです。私もこれまでずっとそれでやってきました。いろいろありましたけどね。わっはっはっ。」
竹中はとても愉快そうに笑った。そして話を続けた。

「おかげさまで私も多くの仲間に恵まれました。今でも海外に身ひとつで行っても泊めてくれる友人が多くいます。お金はなくともこれが財産ですね。仕事をするということは友人をつくる、ということかもしれませんね。」
竹中は、小さなグラスでビールを美味しそうに飲み干した。

そうだ、と只野は思った。ケニア紅茶とのひょんな縁から多くの人と出会えた。通常の仕事だけだったら決して出会うことのない人たちばかりだった。それは財産と言えるかもしれない、と思った。

「私はね、NHKの『プロジェクX』という番組が大好きなんですよ。『一人の男がいた』というフレーズで始まるんですよね。突拍子もないこと言い出して人からアホ呼ばわりされるんですが、仲間が一人一人と出来てくるんですね。あの時代はみんなガムシャラで大変したけれど、それなりに結構楽しくて夢がありましたね。」
竹中は遠く夜景を見つめた。

只野は聞いたことがある。竹中が若い頃、この東京で鬼軍曹と呼ばれ多くの海外商社を相手に丁々発止と、八面六臂の活躍をしていたらしいことを。今はもうその面影もなかった。ちょうど陽のよくあたる場所に腰をかけ、さわやかな5月の風が吹きわたる水田を眺める老農夫のような、穏やかで優しい顔だった。遠くの夜景を見るその竹中の横顔は、とてもいい顔だと只野は思った。(続く)

(*この物語はフィクションです。)

世界も、自分も、変えるシゴト ~ 青年海外協力隊という選択

現在、JICA(国際協力機構)による、青年海外協力隊とシニア海外ボランティアの春季の募集が行われています。各地で「体験談・説明会」が行われていますので、ご関心のある方はぜひ参加されてみることをお薦めします。

<広島地区>
日時:平成22年4月14日(水)18:30~
場所:広島市留学生会館(広島市南区)

日時:平成22年4月21日(水)18:30~
場所:広島市まちづくり市民交流プラザ(広島市中区)

<緒方貞子JICA理事長からのメッセージ>
「現在は『グローバル化』が急速に進み、あらゆる国のあらゆる人が、様々な国々や人々の影響を大きく受ける時代です。相互に依存し共存している世界において、開発協力は単なるチャリティーではなく、共に生きていく上での共通の任務であると考えています。

JICAでは、青年海外協力隊やシニア海外ボランティア等、国際協力の志を持った人々を開発途上国に派遣しています。参加されたボランティアは、途上国の人々とともに生活し、彼らと同じことばを話し、異なる文化、習慣に溶け込みながら、草の根レベルで途上国が抱える課題の解決にチャレンジしています。

途上国の人々や社会に貢献すると同時に、彼ら自身も広い世界観と問題意識、逞しい精神力、高度なコミュミケーション能力を身につけます。海外から日本社会を見直すことによって、日本の良さを再発見し、日本を元気にするヒントをつかんでいます。

世界の課題に目を向け、それに果敢にチャレンジする人々の志と決意が、今後の日本の原動力になることを切に願っています。」

(*朝日新聞より抜粋)

プロフィール

日本ケニア協会

Author:日本ケニア協会
ケニアブログへようこそ!
ケニアに関する情報などを楽しく
紹介します。

カテゴリー

openclose

リンク

最近の記事

最近のコメント

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

FC2カウンター

Copyright © 日本ケニア協会