プロジェクトK~ケニア紅茶輸入物語 (第45話)

その電話とは、広島国際平和センターの片山(仮名)からだった。広島市が行う「国際交流協力の日」イベントにケニア紅茶部門として、ブース出展してほしいという依頼だった。

「ええっ?そ、そう言われるのはう、うれしいお話ですが、会社に許可を取ってからご、ご返事させてください…。」
只野は慎重にことばを選んだ。

その10日後、只野は企画提案のプレゼンを行うことになった。社内の責任者会議に呼ばれた。会議室のドアを開けると、各責任者からいっせいに針で刺すような視線を感じた。緊張で足がすくんだ。

「出展のメリットは?」
「来場見込み数は?その根拠は?」
「売り上げ目標は?費用対効果は?」
社内の責任者たちから、矢継ぎ早に次々と質問が浴びせかけられた。
「う、ううぅ…。」
只野は、その都度うめき声のようなものをあげた。みんな気持ち悪がった。が、只野は、これは金もうけではないこと、CSR(企業の社会貢献)の一環であり会社の信頼度向上につながること、他のNGOや人とのつながりが広がること、などをたどたどしく訥々と話した。しかし決裁は先へ持ち越された。

1週間後、ついに社内での決裁がおりた。しかもケニア紅茶のプロモーション用の大きなタペストリー(旗)やポスター等も特別予算で制作されることになった。誰かが強く推してくれているのではないか、などと考えるほど只野は頭の回る男ではなかった。制作はケニア紅茶パッケージをデザインした桑田が、すべて行ってくれることになった。出展のための人員は只野以外にも社内の女子社員、日米協会とのコラボに参加した他社の夫婦、ケニア人女性も各々自ら手伝ってくれることになった。今度は一人ではない。仲間がいる。只野はうれしそうな顔をした。

そして「国際交流協力の日」当日を迎えた。(続く)

(*この物語はフィクションです。)

Comment

2010.03.06 Sat 21:59  |  

大きく動き出してきましたね。
金儲けではなく会社の信頼度向上につながる・・・、素晴らしいィィィ~~~!!
だんだんに文章が長くなって、読み応えが一段と出てきました。
毎回むさぼるように読んでます。ハイ。

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