アフリカの風に吹かれて(~マリ)

<マリに到着、アルジェリアからの凶報>

マリへ向かってケニアの首都ナイロビの空港を飛び立った時と、マリの首都バマコに飛行機が着陸した時とでは、世の中が変わっていた。飛行機に8時間乗っている間に、アルジェリアで日本人3人を含む人質事件が発生したと伝えられていた。飛行機に乗るときに、思い描いていた追うべきニュースが、すっかり変わってしまっていたわけだ。

こういう時の特派員はつらい。状況がほとんどわからないまま、ふだんの蓄積をもとに何らかの原稿を期待される。空港に着いたのは、もう東京の朝刊の最終締め切りまで1時間ほどしかないという状況だった。

ちなみに、バマコで降りた時、ケニア航空のフライトアテンダントと地上スタッフに相次いで「ここはバマコよ。間違いない?」と尋ねられた。乗ってきたケニア航空機はこの先、セネガルのダカールに向かうので、降りる場所を間違えていないか、尋ねていたわけだ。

実際に降りたのは、ほとんどが見たところメディア関係者だった。マリの情勢の急変がなければ、これほど多くの乗客が降りることはないのかもしれない。

お疲れ様、と言う間もなく、マリの国防省に向かう。今後、前線近くで取材するには、国防省から一筆もらっておいた方がいいだろうという判断だ。行きたい場所の手前の軍の検問で追い返されたという話や、時間を区切ってメディアの取材を許可しているという話が伝わってきたからだ。

だが、すでに午後4時を大きく回り、担当者は外出していた。明日、出直すことにする。この後、さらに東京とのやりとりで事態は思わぬ方へ向かうことになるのだが、その話は次の回以降に。そんなこんなで、悠然と流れる大河ニジェール川に目を留める間もなく、バマコを吹く風を実感する間もないままに、マリの初日は暮れていた。(続く)

(*朝日新聞より抜粋)

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2013.03.22 Fri 12:30  |  

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。

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